北海道中国会

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(JPN)新型冠状病毒肺炎针灸干预的指导意见(第二版)日语译文
中国針灸学会新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への鍼灸治療ガイダンス(バージョン2)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は呼吸器系の急性伝染病であり、非常に感染されやすく、人間の生命や健康に強い脅威でもあり、既に《中華人民共和国伝染病防治法》により乙類伝染病と認定され、甲類伝染病として厳しく管理されている。

今回のCOVID-19感染症は中国医学の“疫病”の一つである。中国人は数千年に渡って、様々な疫病と戦って、治療と予防のため豊富な経験を蓄積できた。鍼灸は中国医学の重要部分であり、効果的と利便性などの鮮明な優位性があり、重要な貢献をしてきた。また、中国の古典医書にも鍼灸による疫病を予防及び治療に関する記載もあった。唐代の著名な医家孫思邈が著した《備急千金要方》に“呉や蜀に入る人間は体のどこか二、三箇所に火傷治らないように常にお灸したら、温疫にかかりにくい。”と記述していた。また、明代の医家李時珍氏は《本草綱目》にて“艾の葉を使いお灸すると、諸々の経絡を通すことによって、色々な病気を治療でき、重篤な患者も回復できるため、効果効能は素晴らしい。”と記載されており、鍼灸は各種伝染病に対する予防と治療効果があるとされている。

鍼灸は人間の免疫機能を調節できるのみならず、抗炎症作用、感染を防ぐ作用も臨床及び実験研究で確認できており、伝染症の予防や治療には、素晴らしい効果を発揮できた。

今回突然世界中に流行してきたCOVID-19治療にあたって、鍼灸界の先生方は積極的に参加し、すでに有意な効果を見せつつある。このCOVID-19の認識を深めつつあり、中医鍼灸による診療経験も蓄積してきた。臨床において医療従事者にご針灸の経験を活用していだだくため、国家衛生健康委員会や国家中医薬管理局が公布した《新型コロナウイルス感染症診療ガイダンスバージョン6》及び《新型コロナウイルス感染症回復期中医リハビリガイダンス(試行)》を参考し、《新型コロナウイルス感染症鍼灸治療ガイダンスバージョン2》を作成した。

一、 針灸介入の原則

一)、疫病流行中の針灸介入は全体の状況に合わせて、各級医療機関の指導の元に、組織的に実施していく。針灸治療するにあたって、消毒及び隔離の要求を厳格に守る上で実行する。確定例や回復例患者はそれぞれ複数の患者が同じ病室で針灸治療を受けてもいいが、疑い例は個室で治療を受ける。酸素吸入中は安全確保の前提で、お灸もできる。

二)、COVID-19に対する中医学的臨床診断、病期、分類、鑑別は、国家衛生健康委員会弁公庁と国家中医薬管理局弁公室が発行した《COVID-19の診療方案》に従って、針灸の特徴を十分に考慮し、針灸の介入をより適切に行う。COVID-19 は“五疫”の1つであり、拡散伝播されやすい。「(五疫は)みな感染しやすく、年齢に関係なく、症状も似ている」(訳注:《黄帝内経素問》遺篇·刺法論)。疫病の邪気は口や鼻から人体へ入り、その多くはまず肺、次に脾、胃、大腸に侵入し、病変は比較的軽い;あまりの半分未満の症例は心包や肝腎へ逆伝して、重篤になる。この疾患の進行が早く、明確な病機と症候経過がある。鍼灸は“経絡は内へ臓腑と繋がり、外へ関節に絡む”の原理で、針で全身に分布するツボを刺激し、経絡を通じて患部に効き、臓腑の経気を引き出したり、強化したりすることによって、侵入してきた各種の邪気を壊滅させたり、分離させたりし、体の外へ追い払っていき、健康状態に回復させる。また、鍼灸治療は経気を引き出し、臓腑の自己防御力を強めるため、疫毒による臓器への損傷を軽減できる。

三)、鍼灸は病機の変化によって、医学観察期、臨床治療期、回復期の三ステップに分けられ、治療の際に臓腑・経脈弁証を通して主穴を採用し、臨床症状を合わせて適切に加減し、「穴が少なく、かつ適宜がいい」原則に則り、具体的な状況によって、操作が簡単、安全、かつ効果的な原則に従って、状況を考慮しながら針と灸の方法を選択していく。臨床の各期において鍼灸の治療効果を充分に発揮できることは重要だろう。臨床治療期間は鍼灸と中薬を併用し、鍼灸の相乗効果を発揮し、回復期の患者のリハビリにおいては、鍼灸を大いに用いるべきであり、鍼灸をメインとしたCOVID-19リハビリ外来の設立を提案する。

四)、鍼灸において、穴位と灸法の選択は古代文献、現代臨床研究と基礎研究の結果を参考にし、鍼灸が神経を調節することで肺機能を改善し、先天的免疫を調節し、炎症因子のバランスを調整し、コリン作動性抗炎症反応経路を活性化し、呼吸器系機能の調整や炎症により肺損傷の保護作用を実現できた従来の研究を参考した。

五)、インターネット、スマホ、APP、WeChatなどのツールを十分に活用し、鍼灸専門家の指導のもとで、患者自身に各種器具によって灸治療、ツボシップ、ツボマッサージなどを展開し、疾病治療を補助したり、心身の回復させたりしてもらう。そして、医師と患者のコミュニケーション、フィードバックや診療データの随時かつ完全な収集と分析に注意しなければならない。

二、鍼灸治療方案:

一)、観察期(COVID-19が疑われる患者へ)の鍼灸治療

目的:人体の正気を引き出し、肺や脾の機能を強化し、邪気を邪気を壊滅させたり、分離させたり、追い払ったりし、人体の抵抗力を増強させる。

1、選穴  以下のいずれかを選んで施術する。

(1) 風門、肺兪、脾兪から1~2ツボに刺す;

(2) 合谷、曲池、尺沢、魚際から1~2ツボに刺す;

(3) 気海、足の三里、三陰交から1~2ツボに刺す;

2、伴随症状による加減

(1) 発熱、口渇、咳の場合:大椎、天突、孔最を加える;

(2) 吐き気、下痢、胖大舌、膩苔、濡脈の場合:中脘、天枢、豊隆を加える;

(3) 疲労感、無力感、食欲不振の場合:中脘、脾兪、臍周四ツボ(神厥の上、下、左、右からそれぞれ1寸のところ)を加える;

(4) 水様鼻水が多い、肩と背中が凝る、舌淡苔白、脈緩の場合:天柱、風門、大椎を加える。

二、臨床治療期

目的:肺と脾の正気を補い、内臓機能を保護し、邪気を追い払う。培土生金の原則(脾を補うことにより、肺をもっと強くする)で、病気の勢いを阻止しながら、ストレスを解消し、病気と闘う信念を増強する。

1、選穴  軽症と普通型の患者は(1)組と(2)組から2~3ツボずつを、重症の患者は(3)組から2~3ツボを選んで施術する。

(1) 合谷、太衝、天突、尺沢、孔最、足の三里、三陰交;

(2) 大杼、風門、肺兪、心兪、膈兪;

(3) 中府、膻中、気海、関元、中脘。

2、伴随症状による加減

(1) 熱が下がらない場合:大椎、曲池を加え、または十宣と耳尖で刺絡する;

(2) 胸悶、息切れの場合:内関、列缺または巨闕、期門、照海を加える。

(3) 咳嗽、痰が多い場合:列欠、豊隆、定喘を加える。

(4) 便溏の場合:天枢、上巨虚を加える。

(5) 黄色い痰、または粘り強い痰が多く、便秘の場合:天突、支溝、天枢、豊隆を加える。

(6) 低熱または身熱不揚、或いは発熱しないが、吐き気、大便溏(凝固しない,半流動の)薄(薄い)、舌質淡または淡紅、苔白または白膩の場合:肺兪、天枢、腹結、内関を加える。

(三)回復期の鍼灸による介入

目的:体内の毒素(ウイルス)の排除、元気の回復、特に肺脾など臓器機能の回復

主穴:内关、足三里、中脘、天枢、气海。

1. 肺脾気虚:息切れ,倦怠感や強い疲労感,食欲の減退や消化不良による吐き気,腹部膨満感,無力性便秘または軟便ですっきりしない,舌の色は淡で舌質は胖大,舌苔は白腻の症状が見られる。

息苦しさ、息切れ等の肺系症状が著しい者は膻中、肺俞、中府を配穴する;

消化不良、食欲不振,食べると膨満感が出る、下痢等の脾胃症状が見られる者には上脘、阴陵泉を配穴する。

2.気陰両虚:疲労感、口が乾く、口内が乾燥し水をほしがる、動悸、多汗、食欲の減退、低熱或いは発熱なし,咳嗽があり痰は少ない、舌体は乾燥し唾液が少ない、脈は細或いは無力。

強い疲労感、息切れがある者は膻中、神阙を配穴する;

口が乾く、口内が乾燥し水をほしがる者は太谿、陽池を配穴する;

動悸の者は心兪、厥陰兪を配穴する;

汗がたくさん出る者は合谷、復溜、足三里を配穴する;

失眠がある者は神門、印堂、安眠、湧泉を配穴する。

3.肺脾不足、痰瘀阻络:胸悶、息切れ、話す気力がない、疲れやすくぐったりしている、動くとすぐに汗が出る、咳をし、痰があるまたは痰を排出しにくい、皮膚が乾燥し、うろこ状になる(ひび割れる)、精神の倦怠感、食欲不振等は、肺俞、脾俞、心俞、膈俞、腎俞、中府、膻中を配穴する;咳が出て痰が絡むものには、豊隆、定喘を配穴する。

刺灸方法:実施する環境と管理要求に基づいて事情を考慮して選択する。

以上の各期で病状によって針が適宜の場合は針で、灸がよければお灸で、或いは鍼灸を併用し、或いはツボに外敷、耳針、ツボ注射、かっさ、小児推拿、ツボ按摩などを併用する。手技は平補平瀉手技をし、全部置鍼20-30分間、お灸する場合は10-15分間/ツボ、毎日一回施術し、具体的操作は《国家鍼灸技術操作ガイドライン》や臨床経験に基づいて施行していく。

三、在宅で回復期を過ごす場合は医師の指導の下でセルフ鍼灸による介入をする

COVID-19の感染予防と制御対策するために、外出を少なくし、交叉感染を避け、感染源を遮断し、安全確保と同時に、在宅隔離と退院後の在宅リハビリテーション患者に対しオンライン診療を通じネット上で指導を行い、関連知識を普及し、専門家の指導の下で適切の鍼灸介入を進める:

艾灸療法:足三里、内関、合谷、気海、関元、三陰交等のツボに自身で灸をする。各ツボに10分間くらいでよい。

シップ療法:熱敏灸或いは代温灸膏等を足三里、内関、気海、関元、肺俞、風門、脾俞、大椎等のツボに塗り(貼り)つける。

経穴への推拿:点法、揉法、按法,或いは揉按、拍打、叩打などの手技を肺経、心経及び膝以下の脾経、胃経に用いる。毎回10-20分間、局部が痛ぼったさのような感覚がある程度で施術する。

伝統功法:回復状況によって易筋経、太極拳、八段錦、五禽戯などの適する伝統功法を選択する。毎日1回,毎回15~30分くらい。

メンタルケア:情緒のコントロールに注意し,耳ツボ、お灸、推拿、薬膳、薬茶、薬浴、音楽等の方法を合わせることで身心のリラクスを図り,焦り、心配、悲しみ、緊張、恐慌、不安等を緩和し,睡眠を改善させる。

足浴熏洗:荆芥、艾叶、薄荷、魚腥草、大青葉、佩蘭、石菖蒲、辣蓼草、鬱金、丁香各15g,冰片3gのような疏風清熱祛邪効能のある中薬を精選し(中薬を)時間をかけて煮出した煎出液を専用足浴バケツの中に入れ、温水を適量加え、水温が38~45℃くらいに保って、30分間くらい足浴する。

本指導意見は中国鍼灸学会専門家グループによる制定した。

顧問:石学敏、仝小林、孫国杰

専門家グループリーダー:劉保延、王華

専門家グループ構成メンバー:喩暁春、呉煥淦、高樹中、王麟鵬、方剣喬、余曙光、梁繁栄、冀来喜、景向紅、周仲瑜、馬駿、常小栄、章薇、楊駿、陳日新、趙吉平、趙宏、趙百孝、王富春、梁鳳霞、李暁東、楊毅、劉煒宏、文碧玲

翻訳:賀偉、馬驥、長嶋恵子、崔衣林、馬娟

(本译文由世界针灸学会联合会团体会员支持翻译)

其他语言译文:

1《新型冠状病毒肺炎针灸干预的指导意见(第二版)》

2 Guidelines on Acupuncture and Moxibustion Intervention for COVID-19 (second edition)

3 Pautas sobre el uso de acupuntura y moxibustión para tratar el COVID-19 (segunda edición)

4 Recommandations sur l'utilisation de l'acupuncture et de la moxibustion dans le traitement du COVID-19 (deuxième édition)

https://mp.weixin.qq.com/s/wafmmFk1MuPg75iEwTVuIA
2020-07-21